北川蒼涼と北川和蒼も警察署に駆けつけ、忘憂を保釈しようとしたが、残念ながら一歩遅かった。古川松陰が彼女を連れ出したと聞き、二人は驚いた。
北川蒼涼の最初の反応は:松陰様も忘憂を知っているのか?しかも自ら出向いて保釈するとは。
北川和蒼の反応は彼とは違い、むしろ心に大きな喜びが湧き上がった。どうやら忘憂は間違いなく母上様のようだ。
しかし瞬時に、北川和蒼の周囲の気配は陰鬱で恐ろしいものに変わり、目には冷たい光が宿った。
母上様が昨夜逮捕され、取調室に一晩中閉じ込められていたと聞いて、考えるだけで息ができないほど胸が痛んだ。同時に、もっと早く母上様を保釈しに来なかった自分を後悔した。
*
青木朝音は家に戻るとすぐに浴室に駆け込み、シャワーを浴びた。出てくるまでに30分近くかかり、体は良い香りがしたが、目の縁はまだ赤く充血し、全体的に元気がなさそうだった。