第312章 四凶連の人が店を荒らしに来る

四凶連は恐ろしい組織として知られており、対テロ同盟の朝日会が何度か掃討作戦を行ったが成功せず、まさか今ここに現れるとは思いもよらなかった。

しかし、考えてみれば納得できる。あの二人のボスは熱心な美食家で、美食があるところならどこへでも行くという。彼らは元々向かいの蓮の庭に行くつもりだったが、飯酔い美食館の方が最近人気だと聞いて、急遽こちらに来たのだ。

「何をするつもりであれ、どうか私たちのお客様を解放して、安全に帰らせてください」

竜野艶子は堂々と彼らの前に立ち、無表情で言った。

「出して警察に通報させるとでも?馬鹿にしてるのか?」

谷川太郎は嘲笑い、陰険で冷酷な表情に傲慢さを滲ませながら言った。「今日はハエ一匹逃がさん!最高に美味いものを食わせてもらえなきゃ、お前らみんな死ぬことになるぞ!」

竜野艶子は心の中で「くそっ」と呟いたが、彼らが武器を持っていることを考慮して軽はずみな行動は避け、様子を見ることにした。

「では、キッチンに行ってシェフと相談してもいいですか?」竜野艶子は交渉するような口調で尋ねた。

「電話をかけようなんて考えないでね。さもないと...彼らは全員死ぬわよ」波野奈子は笑顔を浮かべながらも、目には冷酷な光を宿していた。

「彼らを傷つけないで、電話も警察への通報もしないと約束します」

竜野艶子の表情はさらに深刻になり、急いで約束してからキッチンへ向かった。

その頃、料理を終えてキッチンにいた青木朝音は、お年寄りたちにもう一品追加しようかと考えていたとき、彼女の手首にある魔力時計が光り始めた。

そこに映し出されたのはレストランの様子で、彼らが銃を持っているのを見た瞬間、朝音の眉が跳ね上がり、彼女の周りには一瞬にして冷たい殺気が満ちた!

四凶連の連中か、随分と大胆だな、ちっ。

そのとき竜野艶子が駆け込んできて、素早くキッチンのドアを閉めた。怒りと心配、そして動揺が入り混じった様子で言った。「朝音さん、テロ組織の連中が来たわ。あなたの作る最高に美味しいものを食べたいと言ってるの。さもないと人を殺すって」

朝音は目を細め、しかし唇には残忍で邪悪な笑みを浮かべた。「いいわ、望み通りにしてあげましょう」

……

北川倫慶は比較的大胆で、こっそりと携帯を取り出して警察に通報しようとしたが、すぐに見つかってしまった。