第337章 竜野佳宝が権州に着くとすぐに誘拐された(2)

竜野佳宝は純粋無害に目を瞬かせ、とても話しやすそうな様子で、それから左腕の袖をゆっくりとまくり上げた。すると、傷跡のアニキと彼の子分たちは死神を見たかのように、目を見開き、全身を震わせた。

「女王様、お命だけはお助けを!私たちが目が利かなくて、間違った人を拉致してしまったんです!どうか私たちのことを気にしないでください、見逃してください、二度とこんなことはしません!」

車内のスペースが限られていなければ、彼らはとっくに地面に跪いていただろう。両手を合わせ、絶え間なく頭を下げ、冷や汗が一瞬で背中全体を濡らした。

朝日会会長とはどんな人物か?あれは対テロ同盟のボスだ。噂によれば、この人物は形なく人を殺すことができ、普通の人は目を瞬かせる暇もなく、彼女の銃口の下で死んでしまうという。

彼女の武器は強力なデザートイーグルで、彼女の体にも同じくデザートイーグルの刺青が入っており、クールでありながら目立つ、朝日会会長の身分を象徴するものだった。

ただ少し奇妙なことに、朝日会会長は3年前に行方不明になったと聞いていたが、まさか今日突然現れるとは思いもよらなかった。

そして竜野佳宝の左腕には、あのデザートイーグルの刺青が鮮明に入っていた。そのため、傷跡のアニキと彼の子分たちは恐怖で震え上がり、かつてない恐怖が心をしっかりと掴んでいた。

彼らはなんてついていないのだろう、適当に人を拉致したら、朝日会会長を拉致してしまうなんて?

あれは世界ランキング第一位の対テロ同盟なのだ。

「安心して、朕は今は身分を隠した普通の人間だからね。私を拉致した経緯を正直に話し、さらに私の秘密を守ってくれれば、お前たちの命は助けてやってもいい。さもなければ……」

「はい、はい、全部話します、全部話します。女王様だけは私たちを見逃してください、私たちはまだ死にたくありません!家には年老いた親と幼い子供がいて、80歳を超えた……」

「止めなさい!あなたの悲惨な話を聞く暇はないわ、早く言いなさい!一体誰があなたたちに私を拉致するよう指示したの?朕は今ちょうど手が痒くて、誰かを殺して遊びたいと思っているの。」