第370章 ジャングル試験、クズを懲らしめて顔を打つ(2)

青木朝音は少し呆れて言った。「遊びに行くと思ってるの?試験はとても過酷よ、場合によっては命を落とすこともあるわ。」

深井鷹行は恐れることなく手を振った。「怖くないさ!俺は苦労に耐えられるから安心して、お前の足を引っ張ったりしないよ。」

そう言いながら、彼の視線は突然後藤雪夜と北川麟兎に向けられた。特に後藤雪夜があんなに丸々としているのを見て、驚いて目を見開いた。「この二人は何なんだ?彼らも試験に参加するのか?」

「おいおいおい、何て言い方だよ?何が『何なんだ』だよ?お前こそ何なんだよ!」北川麟兎は怒って言った。

「ちっ、お前ら二人は武術の経験あるのか?野ウサギや野鶏を見ただけで死ぬほど怖がるんじゃないだろうな。」深井鷹行は北川麟兎を軽蔑するように見た。

北川麟兎は恥ずかしさと怒りで顔を赤くした。「うるさい!お前こそ臆病者だろ!俺だってテコンドーをやってたんだぞ?もしかしたらお前より強いかもしれないぞ!試してみるか?」

「もういいから、二人とも黙って。試験の時は大人しくして、私のそばにいれば何も問題ないわ。」

青木朝音は冷たい声で制止し、コートをきつく巻き付けた。今日はとても寒く、話すと口から白い息が出る。それが彼女の眉や目に宿る苛立ちをさらに濃くしていた。

北川麟兎は素直に頷いた。「わかったよ、きっとバトルロワイヤルゲームみたいなものだろ?今回の試験は実写版のバトロワみたいなもので、考えるとワクワクするね。」

深井鷹行はため息をついて、軽蔑した口調で言った。「お前は考えが甘すぎるぞ、坊や。バトロワゲームには猛獣や毒虫なんていないけど、ジャングルには何でもあるんだ。一つ間違えば命を落とすぞ。」

北川麟兎は目を転がして、恐れる様子もなく言った。「俺は怖くないよ。」

……

しばらく待った後、全員が揃ったところで、みんなは九領学院のロゴが貼られた専用機に乗り込み、アダリア国へ向かった。

アダリア国に到着後、すぐにジャングルへ向かうのではなく、ホテルが用意され、一日休息することになった。翌日の午後になってから、ジャングルへ向かい試験を受けることになっていた。

後藤雪夜は青木朝音と同じ部屋に泊まりたかったが、何故か二人は強制的に別々にされ、二人で同じ部屋に泊まることは規則違反とされ、違反すれば即座に失格になると言われた。