第377章 まさか小さなリスだったとは

「交換しない、交換しない。私たちだって足りないんだから」深井鷹行は手を振って、相手を追い払おうとした。

Gグループの男は思わず唾を飲み込み、最後に歯を食いしばって「半分でもいい」と言った。

「交換しないって言ってるだろ、人の言葉が理解できないのか?」

深井鷹行はイライラしながら言い、そして素早く、まだ誰も手をつけていない焼き鶏を焼き台から取り上げ、宝物のように手に持った。まるで誰かに奪われるのを恐れているかのようだった。

「半分あげなさい」青木朝音が突然口を開いた。

「え?本当に交換するの?」深井鷹行は少し不機嫌になった。

彼はまだお腹が空いていたのだ。もともと3羽でも彼ら6人が食べるには足りなかった。野鶏はそれほど大きくないので、一人一羽食べてちょうどいいくらいだった。

隊長が言ったのを見て、Gグループの男は顔を輝かせ、急いでトークンを一つ取り出して青木朝音に渡した。青木朝音はちょっと合図をして、地面に置くように指示した。

男は少し戸惑ったが、おとなしく彼女の足元に置いた。

半分の鶏をもらったGグループのメンバーたちは、狼のように半分の鶏を見つめていた。一人当たりほんの少しの量しか分けられなかったが、食べた後は皆目を輝かせ、まるで世にも珍しい美味を味わったかのようだった。

「すごい、この焼き鶏おいしすぎる!」

丸い顔がとても可愛らしい女の子、前に竜野お爺さんの誕生パーティーで北川倫慶に目をつけていた女の子で、名前は桑田宝といった。自分の分の焼き鶏を食べ終わった後も、必死に唇を舐め、余韻を楽しむような表情をしていた。

「宝、そんなに大げさな表情しなくてもいいじゃない。でも確かにすごく美味しかったわね、もっと食べたくなるわ」

Gグループの隊長は女性で、短い髪、中性的な顔立ちで、男っぽい雰囲気を持っていた。名前は根岸三久といい、冗談めかして桑田宝を見ながら言った。

「隊長姉さん、もっとたくさんトークンを奪って、食べ物と交換しに行きましょうよ」桑田宝は甘えた声で提案した。

「ったく、あなたって食いしん坊ね」根岸三久は彼女を嫌そうに見て、すぐに口調を変えた。「でも確かにいい考えね」

「まずは休んで、明日の朝早くトークンを奪いに行くわ」

「やったー!」

……