彼はついに自制心を失い、彼女の指先を抱き寄せ、思わず衣服の上から彼女の腰に触れ始めた。
彼女の体は少し震えた。それは4年前のあの夜、彼が指先を彼女の首筋にそっと這わせた時の反応と同じだった。
彼はそんな彼女の反応に、思考が止まりそうになった。これが夢なのか現実なのか区別がつかなかった。ただ一つ分かっていたのは、このような軽い接触では全く満足できないということ。彼はもっと求めていた。
その思いが頭をよぎると同時に、彼の手は彼女の服の上を這い上がり、彼女の胸に落ち着いた。
彼女は抵抗しているようでもあり、していないようでもあった。彼の頭の中は彼女を求める衝動でいっぱいで、彼女が拒絶しているかどうかを気にする余裕はなかった。ただ自分の切迫した欲望のままに、手を彼女の服の中に滑り込ませた。
あの夜と全く同じように、彼女の肌の感触は異常なほど柔らかく、彼を底なしの沼に引きずり込むようだった。彼は彼女の肌を撫でる力を思わず強めた。彼の呼吸は荒くなり、自分でも気づかないうちに、唇が彼女のこめかみに触れ、清らかで丸みを帯びた額から、美しい眉や目、高い鼻筋へと移り、そして彼女の唇に辿り着いた。
彼は強く押し付ける勇気がなかった。幻想だったらと恐れ、とても軽く、軽く触れるだけだった。一筋また一筋と強烈な電流が彼を襲い、キスを深めようとした瞬間、彼女は突然顔をそむけ、彼の唇から逃れた。
彼には考える余裕がなかった。こんな光景が夢の中にあるはずがないと。彼は突然体を翻し、彼女の上に重く覆いかぶさり、再び力強く彼女の唇を塞いだ。
彼は熱烈に、焦りながらキスをした。彼の手は彼女の襟元に滑り、服のボタンを外し始めた。
彼女は手を伸ばし、必死に彼を阻もうとしたが、彼女の力は彼にはかなわなかった。彼は簡単に彼女の手首を避け、ボタンを外す動作を早めた。
彼女はさらに激しく抵抗し、足をばたつかせ始め、頭を乱暴に振って彼のキスを避けた。
夢の中でさえ、彼女は彼から逃げるのだろうか?
髙橋綾人の心は突然痛みと怒りで満たされた。彼は残りのボタンを諦め、乱暴に彼女の襟をつかみ、一気に力を入れて彼女の服を二つに引き裂いた。そして片手で彼女の顎を掴んで再び口を塞ぎ、もう片方の手で露わになった彼女の肌を思うがままに這わせた。