第107章 私と結婚してください (7)

「小九」の役をまた守れなくなるのか……ここまで考えた森川記憶は、表情が突然凍りついた。

この世界で、誰が彼女が「小九」の役を手に入れることを最も恐れているのか?それは千歌だ……

あの二人の若い男性は明らかに彼女を待っていた。校門から出る道はたくさんあるのに、なぜ彼らは彼女がこの廃校舎を必ず通ると確信していたのだろう?

きっと誰かが前もって彼らに情報を流したのだ。しかも、その情報提供者は彼女のことをよく知っている人物に違いない。

でも千歌とは三年も連絡を取っていない。だからその人物は……この疑問が頭に浮かぶと同時に、森川記憶の脳裏には昨夜突然寮に戻ってきた林田雅子の姿が浮かび、彼女の目元に冷たい色が浮かんだ。

なるほど、彼女が今ここに閉じ込められているのは、千歌と林田雅子が事前に共謀して仕組んだ筋書きだったのだ。目的はただ一つ、彼女が苦労して勝ち取った「小九」の役を台無しにすることだ!