第202章 あなたに会う資格(2)

彼女は川辺でしばらくぼんやりと過ごした後、ようやく立ち上がり、石畳の階段を通って道へと向かった。

結局、彼女は林田雅子が引き起こした一連の出来事に影響され、足元に注意を払わず、石につまずいて、何の前触れもなく地面に転んでしまった。

激痛で森川記憶はすぐに我に返った。

彼女はみすぼらしい姿で地面にしばらく横たわり、痛みが少し和らいでから、やっとのことで体を支えて立ち上がった。足を上げて一歩踏み出そうとしたとき、足首がひどく痛むことに気づいた。

彼女は急いで携帯のライトを点け、かがんで足首を確認すると、痛みのある部分が既に赤く腫れ上がっていた。

つまり、先ほどうっかりつまずいたときに、足首を捻挫してしまったのだ。

森川記憶がいる場所は、彼女が宿泊しているホテルからそれほど遠くなく、歩いて戻るのは10分ちょっとほどだった。