第202章 あなたに会う資格(2)

彼女は川辺でしばらくぼんやりと過ごした後、ようやく立ち上がり、石畳の階段を通って道へと向かった。

結局、彼女は林田雅子が引き起こした一連の出来事に影響され、足元に注意を払わず、石につまずいて、何の前触れもなく地面に転んでしまった。

激痛で森川記憶はすぐに我に返った。

彼女はみすぼらしい姿で地面にしばらく横たわり、痛みが少し和らいでから、やっとのことで体を支えて立ち上がった。足を上げて一歩踏み出そうとしたとき、足首がひどく痛むことに気づいた。

彼女は急いで携帯のライトを点け、かがんで足首を確認すると、痛みのある部分が既に赤く腫れ上がっていた。

つまり、先ほどうっかりつまずいたときに、足首を捻挫してしまったのだ。

森川記憶がいる場所は、彼女が宿泊しているホテルからそれほど遠くなく、歩いて戻るのは10分ちょっとほどだった。

しかし一歩踏み出すたびに足首が鋭く痛んだため、森川記憶は木に寄りかかり、携帯を取り出して車を呼ぼうとした。

配車アプリを開いてみると、周囲に車が一台もないことに気づき、古都内は車両進入禁止だったことをようやく思い出した。

両親は沖縄にいて、彼女は麗江で土地勘もなく、友人も一人もいないため、人を頼るのは難しかった。今は昼間と違って人も少なく、見知らぬ人に助けを求めることもできない。森川記憶はしばらく考えた後、携帯をしまい、歯を食いしばって痛みに耐えながら、ホテルの方向へ歩き始めた。

最初のうちは森川記憶も何とか我慢して、小さな一歩一歩を前に進んでいたが、歩く歩数が増えるにつれて足首の痛みはますます骨身に染みるようになり、最後には怪我した足が地面に着くたびに、彼女は痛みで息を呑み、体が震えた。

もう耐えられなくなった森川記憶は、道端の階段がどれほど汚れているかも気にせず、そのまま座り込んだ。

夜は更けており、この道には明るい街灯の下、彼女一人しかいなかった。

足首の痛みは、まだ波のように押し寄せてきていた。

森川記憶の心の中に突然多くの悔しさがこみ上げ、目に熱いものがにじみ、思わず顔を膝に埋めた。

彼女はどれくらいの間そのような姿勢でいたのか分からなかったが、携帯の着信音が鳴り、ようやくゆっくりと顔を上げ、携帯を見た。

明滅する画面に「余光さん」という三文字が特に鮮明に映っていた。