第394章 目覚めた翌日(4)

……

彼女が上階から宴会場に戻ってきた後、気分が非常に悪く、人のいない隅を適当に見つけて、給仕にたくさんのお酒を持ってくるよう頼み、飲み始めた。

彼女はその時に酔ってしまったのだ。むせてしまったようで、テーブルに身を屈めて咳き込んでいると、誰かが彼女の腕を引っ張り、彼女を引き起こした。

彼女は本当に酔っていて、記憶が少し途切れていたが、それでも大部分の光景をかすかに思い出すことができた。

彼女は携帯を手に取り、髙橋綾人に電話をかけたようだが、誰も出なかった。そして彼女は田中白を髙橋綾人と勘違いし、髙橋綾人を田中白と勘違いして、髙橋綾人に修正液を買いに行くよう指示した……

その後具体的にどうなったのか、彼女ははっきりと覚えていなかったが、とにかく髙橋綾人に上階のホテルの部屋に連れて行かれた。

彼女はその時、少し疲れていて、酔いに任せて眠りたかったが、鼻から夏目美咲の香水の匂いがした……そして彼女は「臭い」と何度かつぶやき、髙橋綾人を寝室から追い出した……その後、彼女は「修正液」という三つの言葉を聞いた……

すぐに、彼女はベッドから降りようともがき、修正液を取りに行こうとした。

しかし彼女は飲みすぎていて、少しも力が出ず、最後にはベッドから転げ落ちた。

頭を打ったようだったが、酔いつぶれていたため、彼女自身は痛みを感じず、這い上がって、よろよろと寝室を出た。

ここまで思い出した森川記憶は、指先が震え、頭の中で映画の早送りのように、彼女が修正液を持って髙橋綾人の体中、顔中、髪の毛中に塗りたくる場面が高速で駆け巡った。

なんてこと……彼女はこんなことをしてしまったなんて……

機内には彼女の心の中で何を考えているか知っている人は誰もいなかったが、森川記憶はそれでも恥ずかしさのあまり手を上げて、顔を隠した。

この恥ずかしさの中に丸一分間浸った後、森川記憶はようやく続きを思い出し始めた。

彼女はあるスタッフに髙橋綾人の寝室の洗面所に連れて行かれ、シャワーを浴びた。途中で彼女は気づいた、洗面所は夏目美咲が使ったものだと。そして何故か吐き気を感じ、スタッフの制止を振り切って、狂ったように洗面所から飛び出し、リビングに放り出されていた修正液を掴み、まるで狂人のように洗面所中に塗りたくった。