第443章 私が家まで送る(3)

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わずか10分ほどで、救急車は最寄りの病院に到着した。

車が停まり、ドアが開くと、菅生知海はすぐに病院の入り口で待機していた看護師に引き取られた。

佐藤未来は知海の側から一歩も離れず、救急車の看護師と一緒に知海の後ろについて車を降りた。

車内の人々が全員出た後、森川記憶はようやくバッグを持って立ち上がり、出口に向かって素早く車を降りた。

彼女が足を踏み出したばかりで、まだ未来に「知海を見ていてくれる間に、病院の入院着を借りて着替えてくる」と言う暇もないうちに、近くで知海を運ぶベッドの側から、聞き覚えのある声が聞こえてきた。「状況はどうだ?」

その声が響くと同時に、記憶の視界の端に長身でまっすぐな姿が飛び込んできた。彼女の口元まで出かかった「未来」という言葉は突然止まり、知海の方へ向かおうとしていた足取りも急に止まった。