第546章 深い愛と彼との思いがけない出会い(6)

一晩中、森川記憶はほとんど眠れなかった。何度も携帯を手に取ってネット上の言論を見ようとしたが、指先が画面に触れるたび、あの鋭く毒のある言葉を思い出し、また手を引っ込めてしまった。

この動作を記憶は何度も繰り返し、窓の外の空が徐々に明るくなり、体が疲れ果てた記憶はようやくうとうとと眠りに落ちた。

眠りについても、森川記憶は落ち着かず、時々目を覚ましては体を反転させ、また朦朧とした眠りに戻るという繰り返しだった。このように何度も寝ては起きるを繰り返した後、ようやく深い眠りに入ったが、それも1時間ほどで突然夢から目を覚ました。

窓の外はすっかり明るくなり、新年の2日目も良い天気で、金色に輝く太陽が街全体を明るく照らしていた。

森川記憶は携帯を手に取り、時間を確認すると、まだ午前9時半で、自分が眠りについてから3時間も経っていなかった。

睡眠不足が深刻な森川記憶はもう眠れなくなり、思い切ってベッドから起き上がった。

森川叔母さんは朝食を用意していたが、森川記憶は全く食欲がなく、適当にお粥を半分ほど飲んで、また自分の部屋に戻った。

ドアを閉めるとすぐに携帯が鳴り、松本儀子からのWeChatメッセージだった:「記憶ちゃん、この前モルディブに行きたいって言ってたよね?あなたと両親、または友達でもいいけど、時間あるかしら?会社に手配させて、モルディブ旅行をプレゼントするわ」

松本儀子は森川記憶が理由もなく千歌のパフォーマンスを模倣し盗作したと騒がれている件について一言も触れなかったが、彼女の言葉から、この負のニュースがさらに深刻化していることを感じ取れた。

森川記憶は心の中で事態がどこまで発展しているのか気になったが、それに向き合う勇気もなく、何も触れずに松本儀子に返信した:「大丈夫です、最近はどこにも行きたくありません」

「わかったわ。この数日は食べるべき時に食べて、寝るべき時に寝て、家でゆっくり春節を過ごしなさい」松本儀子の返信はすぐに届いた。

森川記憶は「うん」と返した。

約30秒後、松本儀子からまた別のメッセージが届いた:「そうそう、記憶ちゃん、ニュースやWeiboなどは、できれば見ない方がいいわ」

森川記憶はまた「うん」と返し、松本儀子との会話を終了した。