一晩中、森川記憶はほとんど眠れなかった。何度も携帯を手に取ってネット上の言論を見ようとしたが、指先が画面に触れるたび、あの鋭く毒のある言葉を思い出し、また手を引っ込めてしまった。
この動作を記憶は何度も繰り返し、窓の外の空が徐々に明るくなり、体が疲れ果てた記憶はようやくうとうとと眠りに落ちた。
眠りについても、森川記憶は落ち着かず、時々目を覚ましては体を反転させ、また朦朧とした眠りに戻るという繰り返しだった。このように何度も寝ては起きるを繰り返した後、ようやく深い眠りに入ったが、それも1時間ほどで突然夢から目を覚ました。
窓の外はすっかり明るくなり、新年の2日目も良い天気で、金色に輝く太陽が街全体を明るく照らしていた。
森川記憶は携帯を手に取り、時間を確認すると、まだ午前9時半で、自分が眠りについてから3時間も経っていなかった。