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夜のメイクをより馴染ませるために、森川記憶と松本儀子は美容院で全身SPAを受けてから、メイクアップアーティストを呼んでメイクをしてもらった。
二人がメイクを終え、ドレスに着替えると、すでに7時になっており、北洋会場へ出発する時間になっていた。
松本儀子が美容院の地下駐車場に車を取りに行っている間、森川記憶は鏡の前で自分の姿を念入りに確認し、問題がないことを確認してからハンドバッグを持ち、優雅な足取りで美容院を出た。
入口で半分も待たないうちに、松本儀子の車がやってきた。
車が停まったが、松本儀子はドアを開けるために降りてこなかった。森川記憶が自分でドアを開けて車に乗り込むと、松本儀子が電話中であることに気づいた。
森川記憶は何も言わず、ドアを閉めた。
松本儀子は片手で携帯電話を持ち、もう片方の手でハンドルを握りながら、本線に入った。