「南条陽凌、もういいわ、早く行きましょう!」
「君はパーティーに参加するのが嫌いじゃなかったのか?どうして僕より急いでいるように見えるんだ?」南条陽凌は不思議そうに尋ねた。
夏野暖香は彼に心の内を見透かされるのが怖くて、わざと隠すように言った。「ここであなたとこんな栄養のないことをするくらいなら、パーティーに参加した方がまだマシよ……」
南条陽凌は濃い眉を上げた。
大きな手が直接下へと滑った。
「僕が栄養のないことをしていると言うのか?」
夏野暖香の顔色が変わった。
南条陽凌は満足げに彼女の変化を見つめた。
最終的に、ただ頭を下げて、彼女の額にキスをした。
「さあ、お馬鹿さん、起きなさい!」彼はそう言って、体を翻し、ベッドから降りた。
夏野暖香はそこに横たわったまま、体がまだ反応しきれていなかった。
くそっ!
この男、彼女をからかっていたのだ!
夏野暖香が服を着終わると、南条陽凌は自ら彼女の後ろに歩み寄り、ファスナーを上げてあげた。
上げる時、動作はとてもゆっくりだった。
まるで芸術品を鑑賞するかのように、彼女の腰から、少しずつ上へと。
「早くしてよ!」夏野暖香は彼が十分変態だと思った。毎日彼女にまとわりついて、飽きることもない。
南条陽凌は一番上まで上げると、指で彼女の首筋と鎖骨をなぞった。
突然、夏野暖香は何か冷たいものを感じた。
頭を下げると、南条陽凌の手には既にネックレスが一本あった。
それはルビーのネックレスで、細い鎖に、涙のような形の大小三つの宝石がぶら下がっていた。
夏野暖香はぼんやりと、南条陽凌が自らネックレスを彼女の首にかけるのを見つめていた。
「これは……ダイヤモンドの涙?」夏野暖香は信じられないように口を開いた。
かつて一世を風靡した世界に一つしかない限定版のGuardダイヤモンドの涙?
彼女は撮影現場で、俳優たちがそれについて話しているのを聞いたことがあった。イギリスの貴族だけが所有できるもので、後に争奪戦になり、行方不明になったと聞いていた。
しかし、まさか南条陽凌の手元にあるとは?