第344章 【344】あなたは本当に面白い5

「ふん……」夏野暖香は冷笑した。「南条陽凌、あなたって本当に笑えるわ！私は今体調が悪いのに、あなたが私のところでぐずぐずしている理由が分からないわ。他の女性と一緒にいた方がいいでしょう？胸が大きくて、腰が細くて、お尻が丸い女性と……私なんかとは違って……もしかして南条若様はマゾなの？」

南条陽凌はその言葉を聞いて、眉間にしわを寄せた。

突然、夏野暖香から手を離し、彼女を見下ろした。「夏野暖香……お前は……もしかして……」

だが言いかけて、心の中で否定した。そんなはずはない、昨夜は外にいて、藤田抑子にさえ見つからなかったのだ。夏野暖香がどうして知っているだろうか？

それとも、この女は彼が他の女を探しに行くことを望んでいるのか？

なぜか、南条陽凌は夏野暖香に知ってほしいという衝動に駆られていた！

もし、彼女が彼のことを全く気にかけていないのなら、彼がどれだけ尽くしても、彼女は一顧だにしないのなら。

それなら、彼はなぜ愚かにも何度も自ら苦しむ必要があるのか？！

南条陽凌はそう考えると、胸が詰まる思いがした。

しかし、夏野暖香の様子を見ると、やはり言わずにはいられなかった。「そうだよ、でも俺はどうしてもお前が好きなんだ……胸もお尻もない、何もないくせに牛のように頑固な女が！」

南条陽凌はそう言いながら、彼女の顎をつかみ、頭を下げてキスしようとした。

夏野暖香の目に嫌悪の色が浮かんだ。昨夜、彼が他の女性にキスしたかもしれないと思うと、すぐに顔をそむけた。

「夏野ー暖ー香！」南条陽凌は彼女の顎にしかキスできず、怒りを抑えきれずに歯を食いしばり、一言一言低く吼えた。

「離れて、汚いわ！」夏野暖香は冷たく言った。

南条陽凌は彼女の手首をつかみ、額の血管を脈打たせながら彼女を睨みつけた。「俺が汚い？夏野暖香、忘れるな、俺はお前の夫だ！お前の体中、どこにも南条陽凌の所有印がついていないところはないだろう？今さら俺が汚いと？少し遅すぎないか？」

「遅い？」夏野暖香は少しも恐れず彼を睨み返した。「そうは思わないわ！だって最初からずっとそう思ってたもの！あなたみたいな種馬のような男、最初から清潔だと思っていたら、私の頭がおかしいってことになるわ！」

「夏野暖香！」南条陽凌は指に力を入れ、歯を食いしばって彼女を睨みつけ、引き裂きたいほどの怒りを感じていた！