第370章 【370】私はあなたをどう罰すればいいのか5

南条陽凌は怒らず、むしろ彼女の隣に少し寄り、手を伸ばして彼女を抱き寄せ、顎を彼女の額に当てながら感嘆した。「俺はかなり変態だな、よりによってお前みたいな抜けた女が好きになるなんて」

夏野暖香：……

目を動かし、顔を向けて、南条陽凌に微笑みかけた。

南条陽凌は一瞬固まった。

反応する間もなく、胸に肘鉄を食らっていた。

南条陽凌は顔色を変え、うめき声を上げた。

「夏野暖香、お前よくも不意打ちをしてくれたな！」南条陽凌は胸を押さえながら、眉をひそめて低く吠えた。

夏野暖香は唇の端に皮肉な笑みを浮かべた。「変態には非常識な手段で対処するのよ！」

南条陽凌：……

前の運転手はバックミラー越しに後ろの帝様と若奥様を見て、額の冷や汗を拭いながら、顔を曇らせた。

……

車は会館の入り口で止まった。

夏野暖香は車から降り、言葉にできない感覚が心の中にあった。

驚きと緊張、そして不安が入り混じっていた。

まさか、あの女は本当に彼女とそっくりなのだろうか？

彼女は本当に七々なのか？

いや、そんなはずがない。

「夏野暖香、何をぼんやりしている？まさか怖くなって逃げ出そうとしているのか？」

夏野暖香は我に返り、男の美しい顔に浮かぶ皮肉な笑みを見た。

「私が何を怖がることがあるの？」彼女は冷たく言い、足を進めて中に入っていった。

南条陽凌は夏野暖香の後ろ姿を見つめ、瞳孔が縮んだ。

……

個室の中。

橋本健太と蒋田雪、南条飛鴻、久我悠輝、そして後藤峰がいた。

夏野暖香と南条陽凌が入ってくるなり、南条飛鴻は興奮して迎えに来た。

「暖香ちゃん……来たの？」

夏野暖香は南条飛鴻の嬉しそうな顔を見て、思わず笑顔になった。「飛鴻、久しぶり！」

久我悠輝も前に出て、不満そうに言った。「暖香ちゃん、皇太子、やっと来たんだね！私たちずっと待ってたんだよ！」

夏野暖香は久我悠輝を見て言った。「ごめんなさい……」

南条陽凌が言った。「何を急いでるんだ？」

「あら、皇太子、私があなたに会いたかったのよ！」久我悠輝は冗談めかして笑った。

南条陽凌の顔が曇った。「消えろ——」

久我悠輝：「もう、意地悪～……」

夏野暖香：……

そのとき、橋本健太が蒋田雪を連れて前に出てきた。