第335章 なぜ心臓の位置がこんなに痛いのか

電話を切った後、巻島一也は林薫織に恥ずかしそうに微笑んだ。「友達からの電話だったんだ。長く待たせてごめんね。」

「大丈夫よ。」

「こんなに待たせたから、お腹空いてるだろう。帰ろうか。」

言われて、林薫織は頷いた。確かに少しお腹が空いていた。

「ちょうどいいタイミングで、友達も来たんだ。後で紹介するよ。実は彼女、大スターなんだ。普段はクールに見えるけど、プライベートではすごくおちゃめで、とても付き合いやすいんだよ。」

大スター?

林薫織の脳裏にある人物の姿が浮かび、思わず言った。「私も知っている人がいるわ。表面上はツンデレで、傲慢そうに見えるけど、実は子供っぽくて、何をするにも気まぐれなの。」

「本当に?それは偶然だね。でも僕はね、そういう素直な人が好きなんだ。見栄を張って表と裏が違う人は好きじゃない。今度、その人も紹介してくれないか。」