氷川泉は瀬戸麗の指示に従って、救急箱から数箱の解熱剤を見つけ、薬の説明書を注意深く比較した後、説明書の指示通りに行った。
林薫織に解熱剤を飲ませた後、氷川泉は眠気がすっかり消え、ずっとベッドのそばで見守り、一定時間ごとに林薫織の体温を測った。幸い夜明けになると、林薫織の体温はようやく下がってきた。
林薫織は自分がとても長い夢を見ていたような気がしたが、どんな夢だったのか思い出せなかった。
彼女はゆっくりと目を開けると、目に入ってきたのは氷川泉だった。男性はベッドの側に寄りかかり、眠っているようだった。はっきりとした輪郭の整った顔には、一晩経って青い無精ひげが生え、全体的にとても疲れているように見えた。
林薫織は氷川泉がなぜこのような様子なのか分からなかったが、深く考える気にはなれなかった。昨日のことを思い出し、彼女は嫌悪感を抱きながら顔を横に向けた。