第416章 全ては氷川泉のせい

「昨夜は一睡もしなかったのだから、帰って少し休んだ方がいいわ。私はもうだいぶ良くなったから、下の階で少し歩き回るだけよ。何も問題ないわ」

介護人は昨夜、孫が夜中に高熱を出したため、一時帰宅していた。孫の熱は上がったり下がったりを繰り返し、ようやく明け方に安定した。彼女は孫の世話をするために一晩中眠れなかった。

林の母の言うことにも一理あると思い、今は彼女の体調も良好で、一人で下の湖畔を散歩するくらいなら何も問題はないだろうと考え、承諾した。

まだ早い時間だったので、湖畔を歩く人はそれほど多くなかった。林の母は湖の周りを二周ほど歩いて少し疲れを感じ、林薫織がもうすぐ退院手続きのために来るだろうと思い、階上に戻ろうとした。

しかしその時、湖の中央にある東屋で思いがけない客に出会った。