第491章 衝撃的なニュース

氷川財団の総裁という名声はあまりにも響き渡り、4年前のあの悲劇が起きて以来、どんな女性とも噂になることはなく、わずかな親密さすら持ったことがなかった。しかし今、このような爆発的なニュースが突如現れ、国中が一瞬にして沸き立った。ニュースが出てからわずか数時間で、10万件以上のコメントが寄せられ、高橋詩織はなんと愚かにもそのコメントを読んでしまった。

「何がCEOよ、狐のような顔をして、男に頼って出世したのは一目瞭然」

「この細い腰、このスタイル、ツツツ...美女だな美女。一晩でも俺と寝てくれたら、死んでも本望だ!」

「この社会は本当に顔で判断する社会だな。見た目が良ければ違うんだよ、お金があるだけでなく、CEOにもなれる。契約を結ぶのに能力なんて必要ない、顔を見せるだけで相手を魅了して、契約を取るのは朝飯前だろう」

「きっと多くの男に抱かれてきたんだろう?寝て出世したのが見え見えだ」

……

高橋詩織はその鋭く辛辣なコメントを見つめ、歯を食いしばった。

この人たちは何を知っているというのか?今の地位に就くために、彼女がどれだけの努力をしたか、彼らに分かるはずがない!

彼らは知らない、何も知らないのだ!

高橋詩織は深呼吸を繰り返し、自分に言い聞かせた。これらはネット上の荒らしで、荒らしの言葉など真に受けるべきではない。それに、明日にはアメリカに戻るのだから、この国内で騒がれているゴシップも、アメリカではそれほど問題にならないはずだ。そう考えると、詩織の気持ちは少し楽になった。

しかし、自分を納得させようとしたその矢先、また電話がかかってきた。今度は、画面に「デーモン」と表示されていた。

着信を見た詩織の表情は曇った。この時間に房原城治から電話があるなんて、何の用だろう?きっと良いことではないだろう。

デーモンは詩織が房原城治につけたニックネームだった。あの男は、地獄から出てきた悪魔のような印象を詩織に与えていた。冷酷で、残忍で、血に飢えている。この4年間で一度会い、数回電話で話しただけだが、彼に対する印象は変わらなかった。

前回の通話では、彼はアメリカのカリフォルニア州の刑務所のセキュリティシステムを攻撃するよう彼女に命じた。今回は何をさせようとしているのだろう?