第501章 お兄さんが一緒に遊んであげようか

しかし、これはあくまでも小島夕奈と松本一郎の間の私事であり、高橋詩織もこれ以上詮索するのは適切ではなかった。

「あなた、酔ってるわ。送っていくわよ」

「いや、いやよ!」小島夕奈は彼女の腕をしっかりと掴み、しつこく言った。「詩織、座ってもう少し一緒に飲んでよ!」

酔っ払った人の力は相当なもので、高橋詩織は小島夕奈の今の状態を見て、彼女が行きたくないと言えば、本当に何もできないと思った。

彼女はポケットから携帯を取り出し、松本一郎にメッセージを送って来てもらうよう頼み、それから小島夕奈の望み通り、自分にもワインを一杯注いだ。

高橋詩織はお酒が強くないので、たくさん飲む勇気はなく、小島夕奈と杯を合わせるたびに、ほんの少しだけ赤ワインを口に含んだ。一方、小島夕奈は毎回グラスを空にしていた。