第517章 氷川泉はあなたに興味があるでしょう?

しばらくアメリカに帰れず、T市には中村旭がいるので、高橋詩織は一人でT市に残り、食べては寝るだけの毎日で、本当に退屈で、四肢が寝たきりで退化しそうな気分だった。彼女がこの退屈な時間をどう過ごそうかと考えていたところ、レーマンから中村旭から電話がかかってきた。

「何ですって?氷川財団がレーマンと提携したいって?」高橋詩織は驚いて言った。

「そうなんだ。しかも提示された条件がとても魅力的で、断りたくても断れないほどだよ」

「どんなに魅力的な条件でも、私は興味ないわ」高橋詩織は氷川泉という人物に良い印象を持っていなかった。彼女から見れば、氷川泉のような義父や枕を共にする人さえも計算に入れる小人と提携すれば、最終的には骨も残さず食われてしまうだろう。

「詩織、まず私の話を最後まで聞いてよ。話を聞いてから断るのも遅くないでしょ。氷川財団が提示した条件はこうだ。私たち二社が共同でゲームソフトを開発し、ソフトの開発が成功したら、氷川財団がプロモーションを担当する。その後の利益は四対六で分ける」