第496章 私から離れて

一時間前、キッチンにて。

小島夕奈は目の前の小さな薬包を見つめ、困った顔で言った。「お婆様、こんなことをするのはよくないのでは?」

「何がよくないことがあるの?私の孫の性格を考えれば、この薬を汁に入れなければ、私がこの老い骨で死ぬまで、ひ孫の顔も見られないでしょう」

「でも、高橋詩織と社長の間には何も……」

「でもも何もないわ。私の言った通りにすればいいの。他のことは全て私が責任を取るから。私の孫は私たちに何もしないわ」

小島夕奈の心中は苦しかった。確かに社長はお婆様に何もしないだろうが、彼女に対しては分からない。彼女はまだ何年も生きて、好きな人と恋愛したいと思っていた。

「お婆様、こういう薬は、通常副作用があって、飲むと体に良くないのでは」

「この薬は有名な漢方医から特別に頼んだもので、副作用はないから心配しないで」