豪華な大統領スイートの入り口!
「時雄、久しぶり!」ブライアンは入ってきた温井時雄に大きな抱擁をした。
「ブライアン先生、お久しぶりです。相変わらず若くて魅力的ですね」温井時雄は穏やかな声で言った。
「こちらが君が長年誠実に守り続けてきた婚約者かな?」ブライアンは松本晴子を見て尋ねた。
「そうです、彼女は松本晴子です」温井時雄は晴子の方を向いて言った。「晴子、こちらが私が話していたブライアン先生だよ」
「ブライアン先生、お名前はかねてより存じ上げております。お会いいただき光栄です!」松本晴子は堂々と言った。
「時雄、君は幸運だね。こんなに美しく気品のある婚約者がいて。さあ、どうぞお座りください」ブライアンは温井時雄と晴子を応接室へと案内した。
応接室の入り口に着くと、温井時雄は白いスーツを着た沢田慕人がソファに座っているのを見た。
「沢田社長もブライアン先生に会いに来られていたとは、なんという偶然でしょう」温井時雄は平静な声で言った。
「村上白は君たちが来ると聞いて、私は君たち皆知り合いだから、一緒に夕食をとろうと言ったんだ。時雄、気にしないよね?」ブライアンは笑いながら尋ねた。
「沢田社長と一緒にあなたの夕食に同席できるなんて、むしろ嬉しいことです。どうして気にするでしょうか!」温井時雄は沢田慕人を見て笑いながら言った。
「温井社長と一緒にブライアンの相手ができるのは、私にとっても光栄です」沢田慕人は返答した。
「ハハハ、それは良かった。私の大切な友人が来たら、すぐに夕食にしよう」ブライアンは言った。
「あなたのその大切な友人に会うのが楽しみです。あなたが大切だと言う友人なら、きっと素晴らしい人に違いありません」沢田慕人は期待を込めて言った。
「彼女が凄いかどうかは分からないが、彼女は間違いなくとても特別で豪快な人だ。私は彼女が大好きだよ」
ブライアンの言葉に、温井時雄の脳裏に舞い降る雪の中で、花のように美しく微笑む女性の顔が浮かんだ——橋本燃。
その大切な友人は橋本燃に違いない!
「ブライアンの評価から判断すると、その重要人物は女性で、しかも美しい女性だと思います」沢田慕人は分析した。
「ハハハ、君はやはり分析が得意だな」