第79章 私はまた老いて醜くて障害がある?

金曜日に温井夫人と約束した温井家の家族会食が予定通り行われた。

連日『衣の香りの魅影』のイベント会場で忙しかった橋本燃は、2時間早く仕事を切り上げ、市場で自ら食材を買い、普賢山のふもとにある温泉邸へと車を走らせた!

門番の警備員は橋本燃を見ると、非常に熱心にドアを開けて彼女を中に入れた。

車が停まるとすぐに、執事の清水おじさんも熱心に車のドアを開け、橋本燃がトランクから食材を取り出すのを手伝った。

まるで橋本燃がまだ温井家の若奥様であるかのように、何も変わっていないかのように、すべてが自然だった。

「お嬢様、どうぞお入りください。ご主人様、奥様、三男様、三男の奥様、坊ちゃんとお嬢様がお待ちですよ!」清水おじさんは慈愛に満ちた声で言った。

「ありがとう、清水おじさん!」橋本燃は言いながら、清水おじさんの後に続いて、上品で豪華な応接間に入った。

「燃姉さん、やっと来たわ、会いたかったわ!」温井時花は愛らしい猫のように橋本燃の胸に飛び込んだ。

「あなたはただ魚が食べたいだけの猫ね、今から台所で酸菜魚を作ってあげるわ!」橋本燃は温井時花のかわいい鼻先を軽くつついて、優しく言った。

「燃、急がなくていいわ。来たばかりなんだから、座って一杯お茶を飲んでから台所に行きなさい。錦一が入れたお茶は素晴らしいわ、さあ飲んでみて!」藤原月子は優しく微笑みながら言った。

橋本燃は藤原月子を見て、初めて彼女の向かいに座っている藤原逸賢と藤堂健太に気づいた。

今日は温井家の家族会食だ。藤原逸賢は藤原月子の甥だから、参加するのは理解できる。

でも藤堂健太はなぜここにいるのだろう?

心の中で疑問に思いながらも、橋本燃は素直に藤原月子の隣に座り、彼女が差し出したお茶を取って一口飲んだ。

「口に含むと甘く、喉を通ると清涼で、胃に入ると温かく、口の中に香りが残る、これは武祈山の初霜飛煌茶ですね。」

橋本燃が入ってきた瞬間から、藤原逸賢の視線は彼女から離れなかった。

クラブで橋本燃が踊るのを見た日から、彼は自分が3年間持っていた彼女への固定観念が間違っていたことを知った。

先日のネット配信で、橋本燃が白蓮花を論破するシーンを見て、彼女が頭の切れる女性だと感じた。