病院にて!
加登王子はVIP病室に運ばれ、橋本燃は直接手術室に入って高橋鴻の手術を行うことになった。
今回、橋本燃は覆面をしなかった。
橋本燃が手術を行うことを知った藤堂健太は、すぐに手術室に駆けつけ、自ら橋本燃の助手を務めた。
橋本燃だけでなく、病院長や主要な医師たちもテレビ画面の前に集まり、橋本燃の手術を見守っていた。
機器を通して映し出される画面では、患者の怪我の位置が心臓からわずか0.5センチの距離にあり、少しでも力を誤れば、患者の体内に刺さった鋭利な物が心臓を貫通してしまう危険があった。手術の難易度は非常に高く複雑だった。
「藤堂医師、この手術はどのように進めるのが安全だと思いますか?」手術着を着て、マスクをした橋本燃が藤堂健太に尋ねた。
すでに松本晴子から橋本燃が有名なジョイ医師であることを知らされていたが、目の前で手術着を着て、もはや完全武装していない橋本燃を見て。
藤堂健太はあまりの驚きに口が閉じられなかった。
「患者の怪我の位置は非常に危険で、少しでも間違えれば患者が即死する可能性があります。比較的保守的な方法で手術を行うべきだと思います…」
藤堂健太は自分の考える手術方針を述べた。
「あなたの言う方法は確かに比較的安全ですが、手術時間が長すぎると、患者の脳が長時間の昏睡状態により、酸素不足の連鎖反応を引き起こし、最終的に患者が植物状態になってしまいます。
そうなると生きることと死ぬことにどんな意味があるでしょうか?この患者は死を賭してでも、生気のない植物人間として生きることを望まないタイプだと思います。だから私の方法は…」
橋本燃は自分の計画と見解を説明した。
橋本燃の話を聞き終えると、藤堂健太の目には深い敬意が浮かんだ。
「あなたの計画は非常に危険で積極的ですが、私はあなたがこの手術を完了するのを手伝いたいと思います。」
「ありがとうございます、藤堂医師。」
橋本燃はそう言って高橋鴻の手術を始めた。
手術室のモニター画面の外では、数十人の主要医師が橋本燃の計画を聞いて、議論を始めた。
「どうしてこんな危険な方法でこの手術をするのか、患者に対して無責任すぎる。」