第366章 静かに愛し、静かに好きでいればいい

橋本燃は不機嫌そうに雷田さくらの言葉を遮った。「だからあなたは仲人役にはまってるの?前は三日間閉じ込められて可哀想だと思って、どう埋め合わせようかと考えていたけど、今見ると三日間じゃ足りなかったみたいね。もう少し日数を増やした方がよかったかも。そうすれば余計なことに首を突っ込まなくなるでしょうね」

「師匠、高橋淮陽さんはあなたの従兄弟でしょう?彼が淘子姉さんを追いかけて一年以上経つのに、あなたは彼と淘子姉さんが一緒になることを望んでいないの?」さくらは疑問の眼差しで燃を見つめた。

燃は真剣な表情で忍耐強く説明した。「淘子はいい子よ。彼が淘子を好きなら、もちろん私は応援するわ。でも恋愛は二人の問題で、あなたが取り持ったからといって、必ずしも上手くいくとは限らないの。

それに彼らの状況は、私と田中黙の場合とは違うわ。私と黙は三年間の結婚生活があったし、あなたたちも私が黙のためにみじめな姿で病気になったのを見てきたでしょう。私が本当に黙を愛していることを知っているはず。あなたが私と黙の復縁を後押ししてくれたのは、私たちに幸せをもたらす行為だったわ。

でも淮陽と淘子の間には、まだ恋愛関係が始まっていないし、淘子は私に彼女と高橋淮陽の件に口出ししないでほしいとはっきり言ったの。彼女にはプライバシーがあり、自分で決断する権利がある。私たちは部外者として、自分が良いと思うことを相手に押し付けるべきじゃないわ。もちろん、あなたの気持ちは良いものだけど、相手が必要としているかどうかを考えなきゃ!」

さくらは真剣に頷いた。「師匠の教えを理解しました。これからは誰かに頼まれても、人の縁を取り持つようなことはしません。恋愛は二人の問題で、彼が本当に愛しているなら、必ず願いが叶うはずです」

「その通りよ。人助けや善行は正しいことだし、あなたが師匠である私を助けてくれたことは、私もとても嬉しく感謝しているわ。でも師匠としては、あなたがこれからは行動する前によく考えて、自分の評判や命を危険にさらすような冗談はやめてほしいの」

さくらの派手な告白事件は大きな騒ぎになったため、燃は彼女が学校に戻ったとき、クラスメイトからのいじめや嘲笑を受けるのではないかと心配していた。