このとき、陸橋北都は立ち上がって陸橋景陽の前に歩み寄り、彼の肩を叩いた。「いとこ、私は君を信じているよ」
陸橋景陽:「兄さん、すみ姉に協議書の草案を書かせて面倒をかけているなら、私がすみ姉に話して彼女に草案を書いてもらうよ!どうせ彼女は弁護士だし、こういうものを書くのは手慣れたものだから」
陸橋北都の手が彼の肩に重く乗せられ、意味深く言った。「この件は君がよくやってくれた。今後は手を出さないでくれ」
誰が後藤澄玲と離婚するって言ったんだ?
二年間、どんなに厳しい言葉を言っても、離婚という言葉は一度も口にしなかった。
陸橋景陽ときたら、彼のためにスパイになって後藤澄玲の考えを探るつもりが、結局は火に油を注ぐことになり、しかも無駄話ばかり持ち帰ってきた。
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後藤澄玲が陸橋景陽からの電話を受けたとき、陸橋景陽は夏目孝程に急かされて団体と一緒に列車に乗るところだった。