陸橋北都はまだ黙っていた。
古川海音はその様子を見て、勢いづいた。「澄玲のどこが悪いというの?容姿、スタイル、学歴、家柄、どれをとっても葉山という女より優れているのに、あなたは彼女を大事にしない」
「それに、この縁談はあなた自身が承諾したんじゃないの?彼女を娶っておいて放っておくなんて、それは大きな徳の欠如じゃないの?」
「そんなことなら、最初からこの縁談を承諾しなければよかったのに!」
「結婚して二年以上経つのに、何回家に帰ったの?毎回澄玲が積極的に動いているのよ、恥ずかしくないの?」
「誰があなたに澄玲と仲良くするよう諭しても、あなたは高原に希望小学校を建てに行くなんて、陸橋家にこんな不埒な人間はいないわ」
陸橋北都の頭の中はブンブンと鳴り響き、鼻梁を揉みながら顔を上げて古川海音を見ると、彼女は目を見開いて怒りながら言った。「何よ?その目つき、私にも希望小学校を建てに行けと言いたいの?」