後藤澄玲は否定できなかった。陸橋北都の接近は心地よく、彼の体には魔力があるようで、彼が彼女に触れるたびに、彼女はいつも異様な反応を示した。
以前も、今も同じだった。
両手で陸橋北都の手首を掴み、後藤澄玲は唾を飲み込んでから、顔を陸橋北都に向けた。「誓約書まで書いたんだから、調子に乗らないで」
陸橋北都は彼女の顔に自分の顔をすり寄せた。「抱かせてくれ」
後藤澄玲は黙り込み、彼の手を自分の腰から離すこともしなかった。
先日、陸橋北都が避妊していることを知った時、彼女は確かに怒り、離婚を決意していた。だからその後しばらくの間、彼女は彼を探すこともなく、会っても以前のように挨拶や会話をすることもなかった。
しかし陸橋北都の今夜の行動で、彼女はもう怒る気力もなくなっていた。