第201章 二人きり

後藤澄玲:「聞いたことがあるわ。陸橋北都はまだ真相を突き止めていないの?彼らしくない仕事ぶりね」

葉山千代:「私が北都のそばにいた数年間、彼がこの件について話すのを聞いたことがない。先日、彼が私に当時の状況について尋ねてきたけど、何も言わなかった。あなたは弁護士だから、この件について調べられるかしら?」

後藤澄玲が口を開く前に、葉山千代は眉をひそめ、憤りを込めて言った:「結局あの大火事で私はひどい目に遭ったのよ」

後藤澄玲:「私に代理人になってほしいの?」

葉山千代は恥ずかしそうに言った:「弁護士費用を払えないわ」

後藤澄玲は微笑み、テーブルの時計を見て言った:「もう遅いわ。私の熱も下がったし、運転手に送らせるわ」

葉山千代はゆっくりと椅子から立ち上がった:「大丈夫よ、自分で車を運転してきたから」