第241章 陸橋北都、いつまで甘えるつもり?

後藤澄玲は手を上げて彼の口を塞ぎ、不意に彼を押しのけた。

彼にチャンスを与える?

彼女は与えなかったというの?以前は何をしていたの?

「復縁なんて考えないで」後藤澄玲はそう言うと、立ち上がってコートを取り、何事もなかったかのように着始めた。「火事のことは引き続き調査するわ、必ず真相を突き止めるから」

自分の身に降りかかる災難とは、まさにこのことだ。

陸橋北都が持っている証拠は、深井唯一のところにもあるはずだ。

だから今回、彼女が葉山千代と取引しなくても、この爆弾はいずれ爆発するだろう。今の状況で良いのは、主導権が彼女の手にあること、先に調査できることだ。

陸橋北都は後藤澄玲が服を着るのを見て、彼女の腕をつかんだ。「こんな夜中に、どこへ行くつもりだ?」

後藤澄玲は問われて笑った。「もちろん家に帰るわ」