第249章 彼女がどこにいても、彼は寄り添う

陸橋北都は平静で、後藤澄玲は動かずに彼を見つめていた。

二人の視線が合った時、陸橋北都は笑いながら言った。「私を見ていれば満腹になる?」

彼がそう言うと、後藤澄玲はようやく箸と茶碗を持ち上げて食事を続けた。

陸橋北都は無茶をせず、後藤澄玲もとても静かだった。彼女も会うたびにくだらないことで喧嘩したくはなかった。

二人が昼食を終えると、陸橋北都は車で後藤澄玲を法律事務所まで送った。

今回は、前の二回のように後藤澄玲に甘えることもなく、彼女に付け込むこともなかった。

後藤澄玲の今日の気分があまり良くないことを、陸橋北都は見抜いていた。

以前彼女に負った借りは、少しずつ返していかなければならない。

車が法律事務所の前に停まると、後藤澄玲はいつものように「ありがとう」と一言言って事務所に戻った。