陸橋北都の熱い口づけ、甘い息遣い、そして彼が夢の中で息も絶え絶えだったこと、後藤澄玲は「いいわ」と言った。
後藤澄玲が承諾すると、陸橋北都は車を発進させ、芦川へと向かった。
彼は後藤澄玲を自分の家に連れて行った。彼の家の方が近く、階数も彼女の家ほど高くなかったからだ。
とにかく今は、一分一秒も無駄にしたくなかった。ただ彼女と二人きりでいたかった。
しばらくして二人は部屋に入り、陸橋北都は部屋の明かりをつけ、ドアを閉めた最初の行動は後藤澄玲を抱きしめ、そして彼女にキスをすることだった。
今、彼女の頭の中には過去の不愉快なことはなく、ただ二人が仲違いする前の思い出と、陸橋北都が何度も命がけで彼女を救ってくれたこと、そして夢の中で息も絶え絶えだった彼の姿だけがあった。