各デザイン画は、前方のスクリーンに投影されることになっていた。
細部を拡大し、すべての審査員が見やすいようにするためだ。
この一枚のデザイン画が現れると、審査員たちは一目見ただけで、まだ詳しく確認する前に、表情がすべて変わり、一瞬にして沈んだ。
先に初光メディアから送られてきた4枚のデザイン画は、東洋神話の四神獣をモチーフにしたものだった。
四神獣というモチーフは珍しくなく、毎回のファッションデザインコンテストで見られるものだ。和国出身のデザイナーや企業が少なくないからだ。
しかし、コンテスト創設以来、彼らに深い印象を残したのはあの一セットだけだった。
審査員たちもデザイン界のトップデザイナーで、目が肥えている。
華繍から送られてきたこのデザイン画と初光メディアのものには違いがあるとはいえ、前者が後者を盗作したことは見逃せない。しかも、精髄となる部分は一つも盗めていなかった。
さらに言えば、オリジナルは4着のドレスだったが、華繍のこのデザイン画には1着しかなかった。
このようなデザインコンテストでは、盗作事件は少なくないが、ほとんどは無名のデザイナーの作品を盗むものだった。
他の出場作品を直接盗作するというのは、今までなかったことだ。
「この華繍、なかなか大胆ね」女性は冷笑し、テーブルを叩いて立ち上がった。「自分たちの実力も知らないのか、初光メディアのデザイン画まで盗むとは?」
過去のコンテストでは、初光メディアはトップ3には入っていなかったが、15位以下の華繍を大きく引き離していた。
両者はまったく格が違うのだ。
しかし、もし初光メディアが今回あのデザイン画を送ってこなかったら、華繍はこのデザイン画で確実にトップ3に入っていただろう。
他の審査員たちの表情も非常に厳しかった。
その中の一人が尋ねた。「華繍のデザイナーは、初光メディアのデザイナーと何か関係があるのでしょうか?同僚とか?」
そうでなければ、どうしてこれほど似せることができるだろうか?
袖口の模様まで、まったく同じだった。
「確認してみましょう」別の審査員が下を向いた。「華繍のデザイナーは、署名によると『鈴木知晩』となっています。聞いたことがない名前ですね。おそらく新人デザイナーでしょう。この年齢は—」