217 積極的なハグ、勝山月咲はカッコウの巣乗っ取り【2更】

「うん。」勝山子衿は頷いた。「あなたたちはいつ会う約束をしたの？」

「ちょっと見てみるね。」リタはスマホを取り出し、カレンダーを一瞥して眉をひそめた。「8月23日か、面倒だな。和国にあと十数日も滞在しないといけないのか。」

今日は8月7日で、彼女と第一毒薬師との約束の日まであと16日ある。

リタも困惑していた。なぜ第一毒薬師が突然会う場所を変えたのか。

それもよりによって和国だなんて。

本来なら、昨夜この島で会うはずだった。

しかし彼女が試合を終えると、第一毒薬師は会う場所と時間を変更した。

「場所は？」

「東京よ。」

子衿の表情が一瞬止まった。「東京？」

「あなたも不思議に思うでしょ。」リタは手を広げた。「このランクのハンターなら、少なくともあなたたちの帝都か、山奥に隠居してるものだと思ってたわ。」

古武界と古医学界は、確かに帝都にある。

ただ一般人には見つけられないし、見つけても入れない。

「でも、ありえないことでもないわ。」リタは続けた。「知ってるかどうか分からないけど、前任の銃神ランキング第七位は東京で死んだの。今でも陰盟会は誰がやったのか突き止められていないわ。」

日差しが徐々に眩しくなり、子衿は帽子をかぶった。「知ってるよ。」

「だから私は思ったの、もしかしたら第一毒薬師が彼を殺したんじゃないかって。」リタは真剣に分析した。「ほら、毒薬師だけが人を無形のうちに殺し、証拠を一切残さないことができるでしょ。」

子衿は少し黙った。

これは反論できない。

銃神ランキング第七位は、確かに彼女が殺したのだ。

ただ彼女は現場を片付けなかった。証拠がないのは、おそらく後で伊藤雲深が尻拭いをしてくれたからだろう。

「とにかく彼のおかげで、彼が死んだおかげで、私はランキングで一つ上がったわ。」リタは髪をかき上げ、色気たっぷりに言った。「元々は88位だったのよ。」

「安神花なら、あげられるよ。」子衿は少し考えてから言った。「でも一つ条件がある。」

「言ってみて、私にできることなら必ずやるわ。」

「あなたと一緒にこの第一毒薬師に会わせてほしい。」

「いいわよ、問題ないわ。」リタはすぐに承諾した。「私たちは取引関係よ。私は彼女に父の病気を診てもらうつもりなの。」

子衿の目が微かに動いた。