一言で、三人の先生の動きが全て止まった。
特に藤田先生は、勝山月咲にこのように問い詰められるとは全く予想していなかったようだ。
楓城先生の眉がしかめられた。
彼はたった今、月咲の成績の進歩を褒めたばかりだというのに、彼女はこんな態度を取ってきた。
しかも、彼らはただ枠が誰に与えられるかを議論していただけで、まだ最終決定はしていなかった。
もちろん、楓城先生も青葉全体で子衿以上に適任者はいないと考えていた。
他の誰かが行ったとしても、国内大会では圧倒的に有利だろう。結局のところ、青葉中学は和国三大トップ高校の一つなのだから。
しかし国際大会となると、かなり危険だった。
物理部部長が最初に反応し、怒りと笑いが入り混じった表情を浮かべた。「これは、勝山月咲さん、あなたは自分が何を言っているのか分かっていますか?私利私欲?」
「分かっています」月咲は眉をひそめ、物理部部長の表情に少し戸惑いを感じながらも続けた。「だからこそお聞きしたいのです。この枠の評価基準は何なのかを」
「間違っていなければ、この大会は非常に重要で、参加範囲は世界中の全ての高校と公学ですよね」
「青葉は和国の最高の教育水準を代表しているのですから、枠の人選はもっと慎重であるべきではないでしょうか?」
昨日の午後、特進クラスではすでに何人かの生徒がこの件について議論していた。
これは国際的な学術大会だ。
正式名称は国際科学競技会、英語名はInternational Science Competition、略してISCと呼ばれる。
ISCは現在、世界で唯一「科学」という二文字を冠した競技会だ。
そのためISCが関わる分野は、数学、物理学、化学、生物学、天文学、言語学、心理学、考古学、コンピュータサイエンスなど多岐にわたる。
科学というカテゴリーに分類できるものなら、ISCはすべて出題する。
ISCは、IOI(国際情報学オリンピック)、IMO(国際数学オリンピック)などの他の競技会の総合体とも言える。
扱う知識の範囲があまりにも広いため、ISCは最初はただの構想に過ぎず、長らく実現されなかった。
今年になってようやく第一回ISCが正式に決定し、各学術系ウェブサイトで告知された。
ISCの主催者は、ノートン大学を除く世界ランキングトップ10の各大学だ。