246 勝山月咲を大虐殺【1更】

しかし、普通のファイアウォールはもちろん、一般的なプログラマーに依頼して強化したとしても、このプログラムの侵入を防ぐことはできないだろう。

彼女のその先輩は、コンピューター技術においてかなりの造詣を持っていた。

勝山月咲はチームの他のメンバーに、この先輩がアノニマスハッカー同盟からスカウトされたことがあると話していた。

アノニマスハッカー同盟、世界ランキング第一位のハッカー組織、知らない人はいない。

最高峰のハッカーたちは、皆アノニマスハッカー同盟に集結している。

特にアノニマスハッカー同盟の盟長は、ハッカー界の神話的存在だ。

しかし今日まで誰も彼に会ったことがなく、男性なのか女性なのかも分からない。

だからこそ、月咲は安心して勝山子衿のコンピューターに侵入したのだ。

鈴木曼華と勝山震霆の態度については、彼女は何度か探りを入れていた。

しかし子衿という人物については、今のところ理解が足りなさすぎる。

彼女は準備なしに戦いを挑むことはなく、軽率な行動も取らない。

月咲は唇を引き締め、次のステップをクリックした。

子衿のコンピューターに接続できれば、遠隔操作が可能になる。

子衿がコンピューターに残したファイル、閲覧履歴、チャット履歴など、すべて見ることができるはずだ。

しかし、月咲が次のステップをクリックした後、画面は長い間動かず、フリーズしたようだった。

彼女はもう一度クリックした。

それでも反応がない。

月咲は眉をひそめた。

どこに問題があるのか確認しようとした瞬間、コンピューターから急に「ピピッ」という大きな警告音が鳴り始めた。

音は大きく、部屋のドアを突き抜けた。

隣の寝室にいた曼華まで起こしてしまった。

彼女はショールを羽織り、出てきてドアをノックした。「月咲、何をしているの?」

「お母さん、大丈夫よ」月咲は驚いて答えた。「あのコンテストの準備をしていたの。間違ったキーを押してしまったみたい。コンピューターを再起動すれば大丈夫」

「早く寝なさい、無理しないで」曼華はまだ眠そうで、部屋には入らなかった。「何か手伝いが必要なら、お母さんに言ってね」

そう言って、彼女は戻っていった。

月咲はほっと息をついた。

彼女の注意がコンピューターに戻ったとき、表情が一変した。