ヴィーナスグループはここ数年で台頭してきた企業で、活動範囲はほぼO大陸に限られていたため、和国ではヴィーナスグループと取引のある大家族以外にはほとんど知られていなかった。
和国では、ヴィーナスグループの名前は、ビーマン、モスカ、ヴィーナスといった国際的な高級化粧品、バッグ、衣料品ブランドほどにも知られていなかった。
そのため、この微博の投稿が出た直後、ネットユーザーたちは一時的に困惑し、多くの人が下でからかうコメントを残していた。
【アジア太平洋地域の社長だって?自分たちをグローバル500企業だと思ってるの?アジア太平洋地域だの北米地域だのと分けるほどのものじゃないでしょ?】
【この伊藤雲深という坊ちゃんと一味なんでしょ?もう演技はやめなよ。】
しかし、ヴィーナスグループの広報部は伊藤明城が育てた人材とは比べものにならず、傘下のコンピューター技術者も少なくなかった。
雲深に関わることだったため、ヴィーナスグループのCTO(最高技術責任者)は和国に来ていなくても、O大陸から直接手を下した。
すぐに、微博のトレンドランキングのトップ10はほぼヴィーナスグループに占められた。
#ヴィーナスグループ、世界第一のグループ#
#ヴィーナスグループ傘下の産業#
#グローバル500企業#
どの話題も、非常に高い注目度を集めていた。
ヴィーナスグループの和国初進出は、極めて強力なものだった。
ネットユーザーたちはヴィーナスグループを知らなくても、世界的に有名な高級ブランドを知らないはずがなかった。
【うわ、マジでびっくりした。これらのブランドが全部同じグループに属してるなんて???】
【参った、本当に参った。人は23歳で社長になってるのに、俺の23歳は実家でぶらぶらしてるだけ。】
【シーッ、黙れよ。他のことは置いといて、お前は彼のような顔を持ってるか?】
【顔良し、金持ち、スタイル良し、若いときた。なんて神様みたいな男なんだ!!!】
【社長さん、結婚してますか?性別はあまり限定しないでください[照れ]】
明城の周到な計画と世論操作は、完全に実を結ぶ前に全て台無しになった。
雲深の評判は底に落ちるどころか、新たな追従の波を引き起こした。
人気トップの芸能人でさえ、この時点では彼ほどの注目度はなかった。