第350章 駆け引き(2)

体内のアルコールが全身の汗と共に抜けたようで、激しい情事の後、彼はかなり冴えてきた。先ほどの制御を失った行為を思い返し、少し後悔した——今や彼女はこんなに痩せているのに、耐えられたのだろうか？

「私は陶器の人形じゃないわ」佐藤若菜は嗄れた声で言い、彼の背中を強く掴んでいた指をそっと緩めた。

「大丈夫だよ！息子が家にいなくて良かった、さもないと先ほどの声で起こしてしまっていただろうね……」斎藤遥は低く笑いながら、ようやく自己の体を完全に移動させ、布団の中で身を翻して、再び彼女を抱きしめ、手放そうとしなかった。

「あなた、これからお酒に酔ったら私を誘惑しちゃダメよ！」若菜は彼の言葉に顔を真っ赤にした——確かに、先ほどは声も動きも、少し大きすぎたのだ！

「はいはい、僕は君を誘惑しない、君だけが僕を誘惑していいんだ！」遥は小声で鼻歌を歌いながら、唇で彼女の露出した肩に軽くキスを繰り返した。

彼のずるい言葉を聞いて、彼女は思わず再び笑った！

結局、彼女はメイクを落とすことも顔を洗うこともしなかった；広報の結果がどうだったか聞こうと思っていたのに、それも忘れてしまった！

彼の腕の中で、彼女は不思議なほど怠惰になった——考えるのも面倒、話すのも面倒、そして起き上がるのはもっと面倒！

翌朝。

心配事を抱えている若菜は、あれほどの疲労の後でも、朝7時に非常に正確に目を覚ました——遥に無意識のうちに胸にぴったりと抱かれ、温かい体が密着している、その感覚は？ふふ、甘美で甘ったるい。

「何時？もう少し寝ないか？」彼女が動くと、男も動いた！

「7時よ、私が先に起きるわ、あなたはもう少し寝ていて。温かいスープを作ってあげる、今頭痛い？」若菜は彼が目を覚ましたのを見て、起き上がる動作もそれほど慎重ではなくなった。

「痛くないよ！運動した後、アルコールは全部消費されたみたいだ！良い二日酔い解消法だね！」遥は彼女の頭を引き寄せ、額を彼女の額に軽く押し当て、もう一度甘ったるくキスをしてから彼女を放した：「昨夜の君が好きだ！」

若菜の顔が少し赤くなり、体を横に向けて、寝間着を取って身にまとい、小さな声で言った：「これからはなるべくお酒を控えてね。」

「わかった。」遥は彼女の赤い顔と、女性らしさに溢れた姿を見て、どれだけ見ても見飽きないと感じた！