客人を見送り、真理子と田原青山は田原お婆様を支えて部屋に戻った。真理子がテーブルを片付けようとすると、田原家の長老は笑いながら言った。「気にしなくていいよ。明日の9時にはお手伝いさんが来るから、彼女たちに任せておきなさい。今日はお嬢ちゃんが頑張ってくれたね。作った料理は絶品だったよ。おじいさんはこんなに美味しい料理を食べたことがないよ。あの黒田おじいさんを見てごらん、すっかり気に入って、明日は私たち家族全員を彼の家に招待したいと言っているよ」
黒田お婆様は真理子を抱きながらソファに座った。「お嬢ちゃんが料理上手だと気に入ったのね。行ったら結局、うちの真理子が働かされるだけじゃない?明日また考えましょう!今日はお祝いの日だから、家族みんなでゆっくり話しましょうよ」
青山はお湯を沸かしにいき、お茶の準備をした。田原家の長老は彼に、お婆様の薬を温めるよう指示した。もうすぐ薬を飲む時間だった。
白黒テレビがついていた。まだ春節の特別番組はなかったが、それでも番組は賑やかで、お祝いの雰囲気に満ちていた。
青山が明かりをつけると、リビングは明るく照らされ、その光はガラス窓から漏れて、中庭まで明るくした。
三人は真理子の周りに座り、砂糖菓子や果物を彼女の前のテーブルに山積みにした。りんごを渡したり、梨の皮をむいたり、田原お婆様は砂糖菓子の箱をまるごと真理子に持たせたいほどだった。彼女はこっそり真理子に告げた。「おじいさんとおばあさんはお年玉を用意したわよ。今夜お風呂に入って新しい服を着て、ぐっすり眠りなさい。明日の朝起きたら、赤い袋がもらえるわよ…」
三人の大人たちの熱心で愛情に満ちた眼差しを見て、真理子は少し鼻が詰まる感じがした。彼女は本当の意味での子供ではなかったが、それでも彼らに甘やかされ、この全てに愛着を感じてしまうのはどうしようもなかった。
彼女には感じ取れた。彼らは本当に自分を愛してくれている。おじいさんとおばあさんと同じように。違うのは、この愛情が最も近い血のつながった親族からのものだということだ!前世では彼女がどれほど憧れ、渇望していたことか。でも結局は手に入れられなかった!