第161章 唯一無二_3

「私の子よ……」祖孫二人は抱き合い、涙にくれていた。

田原青山は手を上げて目を拭うと、立ち上がって熱いタオルを絞り、母親に渡した。田原家の長老も嘆息しながら別のタオルを受け取り、真理子の顔の涙を拭いながら尋ねた。「子よ、さっきは取り違えられたと言っていたが、どうして取り違えられたのだ?取り違えられたと分かったなら、養父母が愛してくれなかったのなら、なぜ実の親を探して戻らなかったのだ?両家で子供を交換すればよかったのに?」

真理子は言った。「最初は真実を教えてくれませんでした。私が偶然に盗み聞きしたんです。病院で、二人のお母さんが同時に子供を産んで、それで取り違えられたんです!村の人も確認してくれました。あの年、私の養母は事故のために、市内の病院で出産して、それから私を連れて帰ったんです。」

「どの市の病院か知っているか?」青山は尋ねた。

「莞市の病院だと聞きました。莞市には二つの病院があって、具体的にどちらなのかは分かりません。もうこんなに年月が経っているのに、誰も私を探しに来なかったということは、おそらく実の両親ともう一人の子供は幸せに暮らしているのでしょう。彼らの家庭を邪魔する必要はないと思います。私にはおじいさんとおばあさんがいますし、これも一つの家族です。」

田原おばあさんは真理子をしっかりと抱きしめた。誰も何も言わなかった。テレビではまだ歌と踊りが続いていたが、リビングの雰囲気は妙に静かだった。

青山は母親を見て、それから父親と目を合わせ、テーブルの上の茶器に目をやると、立ち上がって台所へ向かった——良いお茶を入れると言っていたのに、今まで入れていなかった。水はもう沸騰して少なくなっているだろう。

真理子は青山が何度も沸かした水でお茶を入れるのを心配して、そっと田原おばあさんの腕から抜け出し、彼の後を追って台所へ走った。

青山は真理子の言うことを聞いて、半分しか残っていない沸騰したお湯を捨て、新しい水を入れようとしたが、真理子に湯沸かしポットを奪われた。「私がやります!お母さんの薬が温まったから、持っていってあげてください。」

青山は愛おしそうに少女の頭を撫でた。「私のお母さんは、あなたのおばあさんだよ!あなたは私の娘なんだから、覚えておいてね?」

真理子:……

湯沸かしポットに少し水を入れ、上下に強く振って洗った。