二部屋一リビング一キッチン一バス、およそ七、八十平方メートル、二人で住むにはかなり広々としていた。
真理子は車の中で田原浩誠から聞いていた。「二人で住む家を見つけて、自転車も一台買って、外泊生になろう」と。これは真理子が前からずっと考えていたことだった。二、三十人が混在する大きな寮は、彼女にとってあまりにも不便だった。しかし、この時代に貸家を見つけるのは本当に少なく、前学期彼女は長い間探したが、全く見つからなかった。玉田先生は彼女が大きな寮に慣れないことを知り、自分の家に住むことを提案してくれた。空き部屋があると言われたが、真理子は丁寧に断った。人の家族三人が普通に暮らしているところに、よその人間が入り込むのはどういうことだろう?
だから今回、浩誠が家があると言ったとき、彼女は心が動いた。
彼女は自分が田原青雲の恩恵を受けているとは思っていなかった。浩誠が一緒に住もうと誘ってきたのだ。最悪の場合、家賃は自分が全部払えばいい。
真理子はお金を取り出して藤本さんに渡そうとしたが、藤本さんは断った。「あなたたちが住んでくれれば十分です。他のことは気にしないで。今日の午後、あなたたちが授業に行っている間に、ベッドフレームと机を運ばせます。夕方の放課後にはこちらに戻って住めるようになりますよ。キッチンにも鍋や食器一式を用意しておきましょうか?夜にお腹が空いたら、麺類でも作って食べられるように。昼食の問題ですが、誠一は学校で食べたくないようなので、機関の食堂の食券を予約しておきました。二人とも少し歩いて、そこで食べてください。これが鍵です、一人一つずつ。あ、そうそう、単位の敷地の鉄門は夜には施錠されます。朝五時に開き、夜十一時に閉まります。覚えておいてくださいね。」
浩誠は何もついていない鍵を受け取り、見た後すぐに真理子に渡した。「僕は鍵を持ち歩く習慣がなくて、なくしちゃうから、姉さんが一緒に持っていて!どうせ僕たちの学校は隣同士で、壁一枚隔てただけだから、放課後に校門で待ち合わせればいいよ。」
真理子は心の中で文句を言った。誰が鍵を持ち歩くのが特別習慣だというの?でも、その鍵には何もついておらず、確かに落としやすそうだったので、とりあえず受け取り、夜にひもを結んでつけてから、浩誠に持たせようと思った。