白石晴美は微笑みながら谷村柳子を見て言った。「柳子は学校に行きたいの?それはそんなに難しいことじゃないわ。ただ、もう十八歳よね?今まであまり学校に通ってなかったのに、今さら小学校に入って七、八歳の子供たちと一緒に座るのはもちろん、中学校に行って十三、四歳の女の子たちと一緒にいるのも、ちょっと恥ずかしいんじゃない?」
前世でも同じ理由で、順子お母さんが横から口を出し、自分は口下手で何も言い返せず、ただ従うしかなかった。そして完全に学校に行く機会を失ってしまった。
変えたいなら、最初からやり直さなければ。彼女たちに自分が簡単に騙されると思わせて、好き勝手にさせてはいけない!
柳子は意を決して顎を上げた。「前は学校に行けなかったのは、家のお金が全部俊帆兄さんのために使われたからです。今は俊帆兄さんが成功したから、私の学費を出してくれるって。目が見えるのに見ないふりをするより、勉強したいです!知識を身につけて人民に奉仕することは光栄なことで、年齢が高くても構いません。私は恥ずかしいとは思いません!」
晴美は目を見開いて、柳子をじっくり観察し、少し疑わしげに順子お母さんの方を向いた。
順子は咳払いをして言った。「もう五月、六月だし、学校はすぐ夏休みになるわ。学校に行くなら九月からになるから、急ぐことないわよ、急ぐことない。」
やっぱりまたこの言い訳。そのあとには長々とした小言が続くんだろう。この家では他人の世話になっているんだから、食べ物や服に不自由しないだけでもありがたいと思え、これ以上人に迷惑をかけるなって。
今度は、あなたの言うことは聞かないわ、叔母さん!
幸い、ただの遠い親戚の叔母さんだ。もし本当の叔母さんがこんな風に外の人の味方をして、姪を白石家の思い通りにしようとするなら、それこそ許せない!
柳子は心の中で毒づきながら、「行ってきます」と言って本当に出て行った。振り返りもせず、どこに行くのかも説明せず、明らかに順子お母さんの手伝いをしたくないという態度だった!
晴美は眉をひそめた。「順子お母さん、この娘は世間知らずで素直だから、ちょっと言えば大丈夫だって言ったじゃない?どうしてこんな性格なの?扱いにくいわね。もし彼女が帆にしつこく付きまとったらどうするの?言っておくけど、帆は白石家の長男の息子よ。田舎の女の子と結婚なんてあり得ないわ!」