第241章 旧知

吉田暁文は田原雅子から電報を受け取り、娘がまた病気になったことを知った。心の中ではとても心配で気がかりだったが、上司の険しい顔を見ると、休暇を取って見舞いに行くことを言い出せなかった。仕方なく雅子にもっとお金を送り、手紙を書いて小さな診療所に頼らず、必ず公社以上の正規の病院で診察を受け薬を処方してもらうよう伝えることにした。お金のことは気にせず、体が一番大事だと。次の学期まで頑張れば、県庁所在地に迎えに行くと約束した!

東京に戻る件については目処がついたので、暁文の気持ちはかなり明るくなった。真理子の冷たい態度を経験し、花菜の優しさと温かさと比べると、彼女は母娘の間にも縁があることを理解した。相性が合わなければ、どれだけ努力しても無駄で、この人生では実の娘を頼りにすることはできないだろう。幸い彼女にはまだ花菜がいる。ことわざにもあるように、たとえ猫や犬でも、育てれば恩を返してくれる。幼い頃から可愛がり大切にしてきた娘は心から思いやってくれる、これこそが心を一つにするということだ。

誠一から電話があり、彼はすでに祖父の病状を姉に伝えたと言った。姉は薬を調合して送ると約束し、おそらく10日から半月以内に豊市の方で受け取れるだろうとのことだった。

暁文はまた一安心した。誠一にもまだ良心があるようだが、これも自分が何度も彼を探し、電報や電話を繰り返し、彼を追い詰めた結果、ようやく姉に連絡してくれたのだ。

以前の誠一は冷淡ではあったが、母親に対してこのような態度ではなかった。真理子が戻ってきてから彼は変わった。言うまでもなく、真理子が彼に影響を与え、道を誤らせたのだ。