第274章 一言難尽

昼食を済ませた後、吉田暁文は田原雅子が元気なく沈んでいる様子を見て、時折赤く染まる目元と涙ぐんだ瞳に心を痛めた。東京に来てから何もかもが上手くいかず、嫌なことばかり重なっていることを思い出し、気分はますます晴れなかった。思い切って娘を連れてホテルを出て、タクシーに乗って様々な店を回ることにした。幸い財布には十分なお金があり、買い物能力は十分だった。母娘が気に入った品物を次々と手に入れるにつれ、胸に詰まっていた鬱憤も徐々に晴れていった。半分のタクシーを埋め尽くす「戦利品」を抱えてホテルに戻る頃には、二人とも顔色も気分も良くなり、笑い声も出るようになっていた。

しかし、階段を上がって仮住まいの部屋に入ると、田原青雲がまだ帰っていないことに気づき、暁文はまた不機嫌になった。

彼女は青雲が田原邸に戻ることを拒んでいるわけではなかった。田原家には二人の息子がおり、将来的に家財と邸宅は分割されるはずで、次男家にも一部があるのだから、なぜ次男家の人間が住めないのか?老人が今回彼らを追い出したのは、ただ老婆の面子を立てるためだった。老婆は心が狭く雅子を受け入れられなかったが、いずれ雅子の居場所を見つけたら、自分も戻るつもりだった。雅子は夫婦が苦労して育てた子で、白い目を向ける真理子よりずっと親しみやすく可愛らしく、絶対に手放すつもりはなかった!

しかし、青雲もこんなことをする必要はないだろう?一日中あちらにいて、まるで老婆のように冷酷になって、妻や娘を無視するつもりなのか?孝行息子や良い孫になりたいなら止めはしないが、青雲は夫であり父親なのだ。責任感を持って、年末年始くらいは妻子と過ごすべきではないか!

それに、前に吉田邸のことを話したはずだ。明日はもう旧正月三日目だ。彼は計画を立てて準備をし、夫婦で一緒に吉田家の家を整えるべきだ。三月に両親や兄嫂たちが来たら、すぐに住めるようにしておかなければ。