花房の前まで来ると、後ろにはすでに七、八人がついてきていた。女の子が多く、男の子は二人だけだった。真理子は全員知っていた。一人は赤井昇で、君良介と同じ年頃で、おそらく彼の親友だろう。もう一人は白石家の次男の白石俊介で、この男の子は見たところ田原浩誠と同じくらいの年齢だが、十一、二歳にもかかわらず十六、七歳の良介や昇についていくのが好きで、明らかに精神的に大人びていた。
こんなに大勢で花房に入るのは適切なのだろうか?田原家にも花房があり、真理子が田原おじいさんについて入ったとき、うっかり蘭の葉に触れただけで気をつけるよう注意された。まるでそれが繊細な赤ちゃんであるかのように大切に扱われていた。今、後ろにいるあの少女たちを見ると、良介が振り返って彼女たちを見ないことに不満を抱き、道端に置かれた鉢植えの花々を容赦なく摘んだり葉を引きちぎったりしていた。もはや花や葉を暗器の修行にしているようなものだ。もし彼女たちが君家の花房に入って同じように無慈悲に何か珍しい花や珍しい草を傷つけたら大変なことになる。結局は牡丹を見るために自分についてきたのだから、良介に誘われたとはいえ、責任は自分が取らなければならない。考えてみれば、無用に主人に不満を抱かせる必要はない。
真理子は足を止め、笑顔で良介に言った。「おじいさまから聞いたことがあるわ。君おじいさまが丹精込めて育てた牡丹は京都でも一、二を争うほど素晴らしいって。今日はお宅でパーティーがあるから、牡丹が咲いたなら、きっと出して皆に鑑賞させるんじゃないかしら?」
良介は微笑みながら頷いた。「もちろんだよ。ただ、宴会が終わってから牡丹を出して皆に少しの間鑑賞してもらうんだ。まだ天気が乾燥して寒いし、外は風が強いから、咲き始めの牡丹には耐えられないんだ。外に長く置いておくことはできないんだよ。それに人が多い室内でもダメなんだ。牡丹は繊細だから、タバコやお酒の匂いを浴びると傷んでしまうんだ。」
「なるほど、そういうことなのね。」真理子は理解したという表情を浮かべたが、心の中では思った。どうやらこの牡丹を育てている君のじいさんは、蘭を育てている田原おじいさんよりもさらに花マニアみたいね。こんなに牡丹を大事にしているなら、なおさらこの人たちを花房に連れて行くわけにはいかない。