第297章 お金を稼ぐ(2章合併)

真理子は吉田家からかかってきた電話を受けた以外、東京の人々の日常のことはよく知らなかった。毎週決まって東京の田原邸と遼州の田原青山に電話をかけ、不定期に黒田邸にも電話をかけていた。年長者たちはみな慈愛に満ちた口調で、あまり無理をせず、自分の体を大切にするようにと言い、注意事項を言い尽くすことができないほどで、他の話題に時間を浪費する余裕などなかった。

誠一はとても忙しいので、姉弟の通話は約束した時間に、通常は誠一から真理子に電話をかけることになっていた。

田原おばあさんが田原お父さんのところに陣取り、田原お父さんがかつておばあさんに約束したことを実行するよう見張っていること、つまり頻繁にお見合いに行かせていることを知った真理子は、思わず声を出して笑った。田原青山は電話の向こうで不満を漏らした。「お嬢ちゃん、おばあさんにほとんど追い詰められそうなのに、まだ笑うのか!」

真理子は彼を慰めた。「おばあさまはあなたを害するようなことはしないわ。私もおばあさまの目を信じているわ。もしあなたが決められないなら、おばあさまの言うことを聞けばいいのよ。おばあさまが選んだ人なら間違いないわ!」

青山はきっぱりと拒否した。「だめだ!私はおまえのおじいさんのような才能はない。強気な嫁をもらって、後半生をどう生きろというんだ?」

「あら、あなたはずっとおばあさまを嫌っていて、おじいさまを見下していたのね!」

「でたらめを言うな!おばあさんは私の母親だ。彼女がどんな人であろうと、私は彼女を愛し尊敬している。他の人はそうはいかない!おじいさんについては…うん、私は彼を非常に尊敬している!」

「ふふ!強気な嫁はいやで、温和な人がいいの?実は賢くて思いやりがあり、世間の道理をわきまえている人を選ぶのも悪くないわよ。私たちの家にはそういう人が足りないもの。」

「うちの家族で、おまえの二叔父以外に賢くない人がいるか?吉田暁文は十分に抜け目なく世故に長けているだろう?何の役に立った?おまえと誠一は彼女に散々苦しめられたじゃないか!はぁ…もし本当に逃れられないなら、いっそおばあさんの言うとおりにして、適当に少し頭の足りない、ぼんやりした人を選んだ方がいいかもしれない。少なくとも、そういう人がおまえの母親になっても、プレッシャーを感じることはないだろう。」

真理子:「……」