30分後、レストランから朝食が届いた。
田口優里は心ここにあらずという様子で、茶碗の中のお粥を見つめたまま、なかなか一口も口にしなかった。
野井北尾は無言のまま、ため息をついた。
先ほど彼が告白した後、田口優里はずっとこの状態だった。
何も言わず、何の反応もない。
彼女が何を考えているのか、どんな答えを自分に返すのか分からず、野井北尾はとても不安だった。
彼は朝食に多くの種類を買っておいたが、テーブルに並べた時、ある問題に気づいた。
彼は田口優里が何を好んで食べるのか知らなかったのだ。
これまではいつも田口優里が彼の好みに合わせてくれていた。
彼は一度も田口優里の好みに関心を持ったことがなかった。
彼の印象では、田口優里は好き嫌いがないようだった。
そう言えば、それは間違いではない。