第79章 恋愛は確かに人を悩ませる小悪魔だ

午後、田口優里は野井北尾にメッセージを送った。

亀山直之が海外から戻ってくるが、墨都に着くのは夜になるだろう。

まだ診察はしていないが、亀山直之の体調について、田口優里は大まかな推測を持っていた。

いくつかの漢方薬は貴重で、偽物も多く出回っている。病院でさえ、薬局の在庫の品質は最高とは言えない。

亀山直之にはそれだけの条件があるのだから、当然最高のものを使うことができる。

野井北尾は人に準備させ、さらに田口優里に何時に仕事が終わるか尋ね、迎えに行くと言った。

田口優里はもう返信する余裕がなかった。

また忙しくなっていた。

上尾剛はいつも早めに迎えに来ていた。田口優里は自分で行けるから迎えに来なくていいと言ったことがあった。

三井和仁は知っていた。もし田口優里が自分で来るなら、八割方野井北尾が送り迎えすることになる。