第92章 変態として捕まりそう

黒川孝雄は病院を出るとすぐに野井北尾に電話をかけた。「昼間、時間ある?」

野井北尾はちょうど会議を終えたところで、ネクタイを緩めながら尋ねた。「どうしたの?」

「ここ数日、眠りが浅くてね。優里のところに行って漢方薬を処方してもらったんだ」

野井北尾は笑った。「亀山直之の件でショックを受けたんじゃないか?」

「それもあるかもな」

「俺の嫁、すごいだろ?」野井北尾はまた自慢せずにはいられなかった。

得意げな口調は隠しようがなかった。

そもそも彼は隠そうとも思っていなかった。

黒川孝雄は軽く笑い、心の奥の苦さを隠した。「すごいよ」

「だろう?」野井北尾は妻を褒め称えた後、ようやく尋ねた。「どう?他に体の不調はないか?」

「ない」黒川孝雄は直接聞いた。「昼食を一緒にどうだ?」